プロパガンダゲームの書評と感想!心理戦と社会風刺の名作小説だった

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根本総一郎さんの小説「プロパガンダゲーム」。

これがめちゃくちゃ面白い!って話題になっています。30万部を売り上げ、書店なんかでも大々的に宣伝されていますね。

 

「就活サスペンス」なんて売り文句に一目惚れしてしまった僕は、早速手にとって読んでみました。

今回は「プロパガンダゲーム」の書評というか、実際に読んでみた感想や評価を皆さんにお伝えできればと記事を書いています。

 

是非購入しようか迷っている方は、参考にしてみてくださいね。

 

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プロパガンダゲームのあらすじとストーリー

「君たちには、この戦争を正しいと思わせてほしい。そのための手段は問わない」

大手広告代理店・電央堂の就職試験を勝ち上がった大学生8名。

彼らに課された最終選考の課題は、宣伝によって仮想国家の国民を戦争に導けるかどうかを争うゲームだった。

勝敗の行方やいかに、そして最終選考の真の目的とは?

 

 

プロパガンダゲームのルールを紹介する

大手広告代理店の電央堂の最終選考の課題は「プロパガンダゲーム」と呼ばれるディベート形式のようなゲーム。

 

まずはその簡単なルールを説明していきましょう。

 

政府チームとレジスタンスチームの2チームに分かれる

最終選考に残った大学生の男女8名は4名ずつに分けられ、それぞれ政府チームとレジスタンスチームに分けられます。

学生たちはチーム別に異なる個室に移動し、その後にチームの一員として宣伝合戦を行っていく。

 

宣伝する対象は、電央堂が無作為に選んだ市民100名。

この市民たちに動画や画像、文章を投稿し、自分たちのチームの主張を宣伝していきます。

 

プロパガンダゲームの舞台設定

電央堂が選んだ市民100名は、仮想国家パレットの国民たち。

現在パレットでは、ある出来事が原因で隣国・イーゼル国との関係が戦争寸前にまで悪化しています。

そこで、パレット国は、イーゼル国と戦争をするべきなのかどうかの決断を、国民投票で決定することに。

 

各チームの勝利条件

ここで、政府チームとプロパガンダチームの勝利条件について説明しましょう。

  • 政府チーム:国民投票で過半数以上の戦争賛成を得ること
  • レジスタンスチーム:国民投票で過半数以上の戦争反対を得ること

 

つまり、政府チームは戦争を行わせたい。レジスタンスチームは戦争を止めたいってのが目的ですね。

 

各チームには敵チームのスパイが潜んでいる

各チーム4名の中には、敵チームのスパイが1名潜んでいます。

このスパイには「盗聴」という特殊アクションがあり、自チームに敵チームの会話の一部を音楽ファイルとして送信することが可能。

スパイは、この「盗聴」などを駆使して、敵チームを阻害する。

※スパイの正体は、スパイ自身しか分からない

 

行えるのは「宣伝アクション」と「扇動アクション」の2種類

各チームがとれる行動は

  • 宣伝アクション
  • 扇動アクション

の2種類があります。

それぞれのアクションについて説明していきますね。

宣伝アクション

  • チームアカウントを使用し、市民掲示板に画像と文章を投稿できる
  • 何度でも行える
扇動アクション

  • 1秒ごとに1PP(プロパガンダポイント)を消費することで使える
  • 時間を指定して行うことができ、扇動アクション中はそのチームの情報のみが市民全体に流れる
  • 動画や映像の発信も可能

 

各チームの特徴

実は政府チームとレジスタンスチームには、それぞれ特徴が異なります。

政府チーム

  • 所持PPが2000ポイント
  • 宣伝アクション時は、政府アカウントが使用できる
レジスタンスチーム

  • 所持PPが1000ポイント
  • 各レジスタンスチームの一員は市民アカウントに成りすまして宣伝アクションを行える

 

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プロパガンダゲームの書評と感想を書いてく

長くなりましたが、ここからが本編です。

極力ネタバレを控えた内容になっていますので、まだ読んだことがないという方も是非参考にしてみてくださいね。

 

ゲームのクオリティが秀逸すぎる

何と言ってもこの「プロパガンダゲーム」の一番山場となるのが、やはり最終選考のゲーム。

このゲームルールや設定の作り込みが秀逸すぎるんですよ。

序盤こそ大きく物語が進んでいきませんけど、後半にかけて徐々に加速していくあたりが読んでいて心地よいですね。

そのせいか、読んでいても「これ、最終選考なんだよな…?」って設定を忘れて読み進めちゃいます。かなりゲームに入り込める。

 

ゲームもシーソーゲーム状態で進展していき、先が読めない頭脳戦にページをめくる手が止められないんですよね。

広告論とか心理学なんかを交えながら宣伝合戦をしていくあたりも、そこらへんを大学で勉強していた僕としては余計に面白かった。

もちろん、ここらへんの専門用語とかよく知らないって人でも絶対に楽しめると思います。

 

頭脳戦だけじゃない、社会風刺も痛烈な小説です

この小説を最近流行のサスペンスゲーム的な小説という感じで読んでほしくはない。

もちろん、読みごたえがあるのは最終選考の「プロパガンダゲーム」あたりなんですけど、その目的とかを考えていくと社会風刺な小説になっているんです。

 

「プロパガンダは日常に潜んでいる―」

本当にそんな気がする。というより、僕たちが気付けていないだけで本当にあるのでしょうね。

 

今や情報はこれでもかというほど、世の中に溢れかえっています。

もしかすると今自分の目に映る情報は、誰かが意図的に操作した情報なのかもしれません。

だからこそ、僕たちは情報を取捨選択し、真実を見極めていく力を身に付けないといけないのでしょう。

 

今自分たちがこれまで正しいと思っていたことは、果たして正しいのか?真実は一体どこにあるのか?

そんなことを考えさせられる作品になっています。

 

登場人物が多いうえに、キャラクターに個性がない

これはちょっと残念な点でした。

主な登場人物が大学生8人と多いうえに、市民の掲示板ではハンドルネームで進んでいくため誰が誰なのかよく分からないまま読み終わってしまいました。

またチーム戦のサスペンスゲームということもあり、視点がめまぐるしく変わっていくので、今は誰の視点なのかというのが分かりづらい。

ここらへんをもう少し上手く書いてくれてたら、より読みやすい小説になってたんじゃないかなーと。

 

ただストーリーはとても面白い内容だったので、個人的にはすごく良い小説だと思います。

特に「就活サスペンス」ということなので、大学生には特に読んでほしい1冊ですね。

 

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